令和8年6月、ベースアップ評価料増??

令和8年(2026年)6月1日以降のベースアップ評価料等の点数について、現在(令和6・7年度)と比較して、入院医療と外来・在宅医療・訪問看護に分けて解説します。
全体的な傾向として、現在「ベースアップ評価料」として別建てで評価されている点数が、入院では「基本料」に統合され、外来・在宅では点数が引き上げられる(または同等の水準が維持される) 形になります。ただし、これまでの届出実績に応じて評価に差がつく仕組みが導入されます。
1. 入院医療(病院)ー基本部分
入院医療では、現在の「入院ベースアップ評価料」が廃止され、その評価分が「入院基本料」等の本体点数に上乗せ(統合)されます。
項目 | 現在(令和6・7年度) | 令和8年6月以降(改定案) |
| 評価の形式 | 「入院ベースアップ評価料」 (1点~165点の165区分から選択) | 「入院基本料」等に統合 (基本料自体の点数が引き上げられる) |
| 点数設定 | 施設ごとの給与総額や職員数に基づき計算し、165段階で設定。 | 入院料ごとに一律の点数が上乗せされる。 ※例:急性期一般入院料1は1,688点→1,874点(+186点) |
| 未届出の場合 | 算定できない(0点)。 | 減算規定(ペナルティ)の新設 令和8年3月31日時点でベースアップ評価料を届け出ていない場合、統合後の入院基本料から一定点数が減算される。 ※例:急性期一般入院料1の場合、1日につき121点減算(案) |
・ポイント:入院料自体は大幅に上がりますが、これまでベースアップ評価料を取っていなかった病院は「減算」されるため、実質的な増収効果は限定的あるいはマイナスになる可能性があります。
1. 入院医療(病院)ー加算部分
令和8年度(2026年度)および令和9年度(2027年度)に新たに行う追加の賃上げ分(事務職等の対象拡大や、+2.5%などの目標達成分)については、引き続き「入院ベースアップ評価料」として別建てで評価する案が出ています。この新しい評価料において、より細かい評価を行うために「最大500段階」の設定が提案されています。
• 対象: 令和8年度以降の新たな賃上げ分(事務職員や40歳未満医師などの新対象を含む)。
• 仕組み: 必要な賃上げ額に応じて点数を算定します。
• 段階的運用:
◦ 1~250段階: 令和8年(2026年)6月から使用(初年度の賃上げ対応)。
◦ 251~500段階: 令和9年(2027年)6月以降に解禁(2年目のさらなる賃上げ対応)
1. 入院医療(病院)ーまとめ
令和8年6月以降の入院医療機関の賃上げ財源は、以下の合計となる見込みです。
1. 【基本部分】入院基本料の増点
◦ (旧来のベースアップ評価料が溶け込んだもの)
2. 【加算部分】新・入院ベースアップ評価料(1~500段階)
◦ (これからの新規賃上げに対応するもの)
◦ (これからの新規賃上げに対応するもの)
つまり、「基本料に統合されつつ、さらに足りない分(新規分)のために500段階の評価料が新設される」というのが正しい理解となります。
2. 外来・在宅医療(診療所など)
外来・在宅については、現在の枠組みが維持されつつ、点数の引き上げが行われます。ただし、過去の賃上げ実績(届出有無)によって点数が2段階に分かれる可能性があります。
| 項目 | 現在(令和6・7年度) | 令和8年6月以降(改定案) |
| 評価の形式 | 「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」 | 「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」(継続) |
| 初診時 | 6点 | 23点(賃上げ継続実績ありの場合) 17点(賃上げ継続実施なしの場合) |
| 再診時 | 2点 | 6点(賃上げ継続実績ありの場合) 4点(賃上げ継続実施なしの場合) |
| 訪問診療(同一建物外) | 28点 | 107点(賃上げ継続実績ありの場合) 79点(賃上げ継続実施なしの場合) |
| 訪問診療(同一建物内) | 7点 | 26点(賃上げ継続実績ありの場合) 19点(賃上げ継続実施なしの場合) |
• ポイント:ベースアップ評価料(I)の点数が約2.5倍〜3倍に引き上げられる案が出ています。これは、対象職種の拡大(事務職等を含む)や賃上げ目標(+5.7%等)に対応するためです。
3. 歯科・調剤・訪問看護
それぞれの分野でも、同様に点数の引き上げが検討されています。
• 歯科(外来・在宅ベースアップ評価料I)
◦ 初診時:10点 → 21点(実績ありの場合)
◦ 再診時:2点 → 4点(実績ありの場合)
• 調剤(調剤ベースアップ評価料)
◦ これまでの「連携強化加算」等での対応から、新設される「調剤ベースアップ評価料」へ移行。
◦ 処方箋受付1回につき:4点(新設・実績ありの場合)
• 訪問看護(訪問看護ベースアップ評価料I)
◦ 利用者1人につき月1回:780円 → 1,050円(実績ありの場合)
4. 新設される「物価対応料」
賃上げとは別に、物価高騰(光熱費や食材料費など)に対応するため、令和8・9年度限定で以下の点数が新設され、基本料等に上乗せして算定できるようになります。
• 外来・在宅物価対応料:初診時 2点、再診時 2点、訪問診療時 3点
• 入院物価対応料:入院料ごとに 17点〜66点(1日につき)
• 歯科外来物価対応料:初診時 3点、再診時 1点
• 調剤物価対応料:処方箋受付1回につき 1点
• 訪問看護物価対応料:初日 60円、2日目以降 20円
まとめ
6月以降は、入院では「基本料の大幅増点+未届施設の減算」、外来等では「評価料の大幅増点」という形で、賃上げ原資が手厚く配分されます。現在のベースアップ評価料を届け出ておくことで、これらの新点数(高い方の区分や減算回避)をスムーズに享受できる設計となっています。
参考・注意
参考資料
※本記事は2026年2月13日時点の情報です。
内容の正確性には努めていますが、誤りがあった場合や情報の変更による損害の責任は負いかねます。
必ず最新の一次情報をご確認の上、ご自身の判断でご利用ください。
ご案内
社会保険労務士法人野島事務所は、ベースアップ評価料の届出代行を承っております。
また、給与計算代行についても併せてご依頼いただいた場合には、ベースアップ評価料の収支管理まで一貫して行っております。
是非お気軽にご相談ください。


