令和8年6月、医療現場の財源が「補助金」から「診療報酬」へ

令和7年度の「医療機関等における賃上げ補助金」による令和8年6月以降の注意点
補助金が終了する令和8年(2026年)6月以降は、賃上げや物価高騰への対応にかかる財源が、一時的な「補助金」から恒久的な「診療報酬(点数)」へと切り替わります。
重要なポイントは、「補助金が終わっても、上げた賃金は下げてはいけない(維持・拡大義務がある)」ということです。
提供された資料に基づき、6月以降の動きを解説します。
提供された資料に基づき、6月以降の動きを解説します。
1. 賃金水準の「維持・拡大」義務
補助金の要綱には、以下の条件が明記されています。
• ルール:補助金を使って令和7年12月~令和8年5月に実施したベースアップ(賃上げ)の水準を、「令和8年6月1日以降も維持または拡大すること」。
• つまり、補助金が切れた後も、スタッフの給与を下げずに自力で(新しい診療報酬を使って)払い続ける必要があります。
2. 財源の切り替え(補助金 → 令和8年度診療報酬改定)
6月1日からは、国の「令和8年度診療報酬改定」が施行され、新しい点数によって賃上げ原資を賄う形に移行します。具体的には以下の仕組みに変わります。
① 入院医療(病院):基本料への統合と「減算」リスク
• 統合:これまでの「入院ベースアップ評価料」等の点数が、「入院基本料」などの本体点数に統合(上乗せ) されます。
• 減算措置:非常に重要な点として、「令和7年度(または令和6年度を含む)にベースアップ評価料を届出していなかった医療機関」 については、統合後の入院基本料から一定の点数を減算(控除)する仕組みが導入される見込みです。
◦ つまり、今届出をしておかないと、6月以降は「賃上げ義務はあるのに、入ってくる入院料はカットされる」という経営的に非常に厳しい状態になる恐れがあります。
② 外来・在宅医療:実績に応じた評価
• 引き続き「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」等の仕組みで対応しますが、過去の届出実績(令和6・7年度の状況)に応じて、評価(点数)に差が設けられる可能性があります。
③ 物価高騰対応:新加算「物価対応料」の創設
• 補助金の「物価支援」に代わり、令和8・9年度の物価上昇に対応するため、新たに「物価対応料」(外来・在宅物価対応料、入院物価対応料、調剤物価対応料など)という加算が新設されます。これにより、光熱費や食材費の高騰分を診療報酬でカバーする形に移行します。
3. 対象職種の拡大(事務職なども正式対象へ)
令和8年6月からは、これまで「ベースアップ評価料」の対象外とされていた職種も、正式に診療報酬上の賃上げ対象として統合されます。
• 対象: 事務職員、40歳未満の勤務医師・歯科医師、薬局の薬剤師など。
• 目標: 事務職員・看護補助者は+5.7%、その他の医療職は+3.2%のベースアップを目指すための点数が措置されます。
• 対象: 事務職員、40歳未満の勤務医師・歯科医師、薬局の薬剤師など。
• 目標: 事務職員・看護補助者は+5.7%、その他の医療職は+3.2%のベースアップを目指すための点数が措置されます。
まとめ
補助金が終わる6月以降は、「国が決めた新しい診療報酬(高くなった入院料や新設される物価対応料など)」を原資として、自力で賃上げを継続するフェーズに入ります。
そのため、現在(令和7年度)のうちにベースアップ評価料の届出をしておかないと、令和8年6月以降、新制度の恩恵(増点)を十分に受けられず、減算などのペナルティを受けるリスクが高まります。
そのため、現在(令和7年度)のうちにベースアップ評価料の届出をしておかないと、令和8年6月以降、新制度の恩恵(増点)を十分に受けられず、減算などのペナルティを受けるリスクが高まります。
参考・注意
参考資料
※本記事は2026年2月13日時点の情報です。
内容の正確性には努めていますが、誤りがあった場合や情報の変更による損害の責任は負いかねます。
必ず最新の一次情報をご確認の上、ご自身の判断でご利用ください。
ご案内
社会保険労務士法人野島事務所は、ベースアップ評価料の届出代行を承っております。
また、給与計算代行についても併せてご依頼いただいた場合には、ベースアップ評価料の収支管理まで一貫して行っております。
是非お気軽にご相談ください。


