未取得の医療機関が令和7年度中に届出を行うメリット

現在ベースアップ評価料を取得していない医療機関が、令和7年度中に届出を行う最大のメリットは、「令和8年度(2026年度)診療報酬改定において検討されている『減算』や『低評価』を回避できる」という点にあります。
具体的には、以下の3つの側面からメリットが挙げられます。
1. 入院医療:基本診療料からの「減算(控除)」を回避できる
令和8年度改定では、事務負担軽減のため、現在の「入院ベースアップ評価料」を廃止し、その相当分を「入院基本料」等の本体点数に統合(上乗せ)することが提案されています。
• リスク:統合により入院基本料が一律に引き上げられますが、不公平をなくすため、「令和7年度にベースアップ評価料を届け出ていなかった医療機関」については、統合後の点数から一定の控除(減算)を行う案が示されています。
• メリット:令和7年度中に届出を行っておくことで、この「ペナルティ的な減算」を回避し、令和8年度以降の入院基本料を満額で算定できる可能性が高まります。
2. 外来・在宅医療:次期改定での「評価」が低くなるのを防ぐ
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)についても、令和8年度以降の点数設定において、過去の実績が考慮される方向です。
• リスク:令和8年度の評価設定に際し、「令和6・7年度の算定状況(届出の有無)に応じて、評価に差を設ける」ことが検討されています。
• メリット:令和7年度中に実績を作っておくことで、令和8年度以降も標準的な、あるいは有利な点数区分で評価される可能性を確保できます。
3. 制度移行時のベースライン(既得権益)の確保
令和8年度改定では、新たな計算を行わずに「過去の賃金改善分」を維持する仕組みが模索されています。
• 現状維持の提案:令和8年度の賃金水準が維持されている場合、「令和7年度に取得していた加算区分をそのまま維持する」という簡素化案が出ています。
• メリット:令和7年度中に届出を行い、賃上げの実績(ベースライン)を作っておくことで、令和8年度の複雑な計算や新規申請の手間を省き、スムーズに新制度へ移行できる可能性があります。
まとめ
令和7年度中に届出を行うことは、単に今年度の賃上げ原資を得るだけでなく、令和8年度以降に予定されている「基本料への統合」や「制度変更」の際に、不利な扱い(減算や低評価)を受けないための防衛策として非常に重要な意味を持ちます。
参考・注意
参考資料
※本記事は2026年1月23日時点の情報です。
内容の正確性には努めていますが、誤りがあった場合や情報の変更による損害の責任は負いかねます。
必ず最新の一次情報をご確認の上、ご自身の判断でご利用ください。
ご案内
社会保険労務士法人野島事務所は、ベースアップ評価料の届出代行を承っております。
また、給与計算代行についても併せてご依頼いただいた場合には、ベースアップ評価料の収支管理まで一貫して行っております。
是非お気軽にご相談ください。


